タイムストッパー

離婚届け

「きたみたいね」

 と、義母は言った。

 もう一度、戸井田は振り返った。どうやらずっとドアの前に父親がいるようだ。
 
 カフェに入れないようだ。

 ドアが開く音がした。そこには父親が突っ立ていた。顔は少し赤みがかっていた。

 酔っていると戸井田は思った。

 父親はドアをくぐり、戸井田の隣の椅子に横暴に座った。

「用は何だ!」

 と、父親は怒りをこめて言った。

 義母は動じず、一枚の紙切れを出した。すぐに離婚届だとわかった。

「印鑑をお願いします」

 義母は早く終わらせたいようだ。

 戸井田も同感である。これから千紗と会うので、解散と行きたいところだ。

「納得できねーな」

「でも、この間、離婚に同意しましたよね?」

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