タイムストッパー

妄想

 田久万は自分の席に戻るなり、状況を考えていた。

 草間は慶子か玲に好意を寄せている。

 どう考えても慶子と交際したいに決まっている。

 草間と慶子ならイケメンと美人のお似合いのカップルと評判になるだろう。

 チャイムが鳴って、慶子が戻ってきた。

 顔は少しにやけているように見える。

 これは間違いなくカップルの誕生か?

 前までの田久万なら落ちこんでいただろう。

 今は落ちこまない。

 なぜなら時間を止める能力があるからだ。

 こうなれば早く慶子の全裸を拝むしかない。

 ふと、田久万はまたあることに気がついた。時間が止まっている間に慶子とキスをすることも可能なのではないか。そうすれば草間より先に唇も奪えるのだ。それに自宅に忍びこんで観察も可能だ。

 ワクワクしてきた。

 さらに田久万の頭の中はヤラシイ妄想でいっぱいになった。
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