タイムストッパー
「ブス!」

 田久万は千紗よりも早く歩いた。

「待てよ」

 田久万は千紗の前に立ちはだかり、じっと見つめた。

「何よ!」

 千紗も感化したようだ。田久万を見下すように、にらんでいる。

 田久万と千紗は一触即発状態だった。

「あらあら、どうしたの?」

 爆発寸前の二人に玲は声をかけてきた。

 もちろん、田久万も千紗も無視である。

「これから、告るところだった?」

 田久万は玲をにらみつけた。

「やっぱそうだったね」

 玲はゲラゲラと笑った。

「違うよ」

 と、田久万は言うが、玲は笑うのを止めない。それどころかお腹をかかえて笑った。
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