タイムストッパー

女子高生

 昨日は戸井田は公園で時間を潰し、自宅に戻らずに、ネットカフェで夜を過ごした。漫画を読んだり、インターネットを観覧して暇を潰した。

 だから寝ていないので、まぶたが重いが、外に出れば、陽の光で眠りそうになるのを耐えた。

 朝の時間は通勤と通学で、人々はせわしなく歩いているが、戸井田は自宅に帰るので、気楽であった。とても朝から起きて、仕事などする気などなく、すれ違う人々をながめ、優越感に浸っていた。

 時間を止められる能力があって良かったと、戸井田はつくづく思うのであった。

 最近は携帯電話の画面を見て歩いている人をよく見かける。

 戸井田は携帯電話を見ていたわけではなかったが、人が角から飛び出してきたので避け切れなかった。

 肩と肩がぶつかっただけだったので、たいしたことではなかった。

 正確には触れただけだった。

 戸井田は気にしていないので、そのまま通り過ぎようとした。

「あの、すいません」

 と、戸井田の背後で声がした。女性だったので、無視しないで振り返った。

 女性は戸井田の顔を見るなり、ペコリと頭を下げた。

 そして顔を上げると、女子高校生だった。真っ白な半袖のブラウスに首元は赤いリボンで膝まで出したスカートをはいていた。
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