タイムストッパー

撮影

 一時限目の途中で千紗は教室に入ってきた。見た感じ変化はない。いつもの千紗だ。

 田久万は事故でも遭ったのでは、色々と心配したので、胸をなで下ろした。

 仲直り。田久万は授業のことより、一時限目が終わったあとの休み時間が勝負と思った。

 何かを行動しなければならなかった。

 田久万は急に茂呂を使うことにした。朝から茂呂はいじめられていたので、ここがチャンスだ。

 チャイムは鳴った。

 田久万にはスタートの合図のようにしか聞こえていないのだ。机の上の教科書やノートはそのままで、一目散に茂呂のところに行った。

「ちょっと話がある」

 と、田久万は切り出した。

「えっ?」

 茂呂は驚いている。まばたきをしないのだ。

「ちょっと廊下に出ないか?」

「あっ、はい……」

 茂呂は怖がっている。返事はしたが、何かされるのではないかと思っているようだ。

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