タイムストッパー
「どう、違うんだ?」

「お、大口くんと一緒に裏の敷地に穴を掘ったんです」

「それで」

「わ、わざとボクが穴に落ちるのを携帯で撮影したんです」

「それをブスの玲に大爆笑されたのか?」

「そ、そうです。木霊玲さんってブスですか?」

「何だ、お前、そっちか?」

 茂呂は首を左右に振った。

「お、大口くんが木霊さんのことを好きみたいです。あ、これは言わないでください。殺されます」

「へぇ、大口のやろうあんなブスが好みか。なら、大口のやろうに言ってやるか!」

 田久万は大口と慶子の関係が気がかりだったので一安心した。

「だ、ダメです。何をされるかわからないですから……」

「大丈夫さ。俺が何とかする」

 田久万は振り返り、教室に向かったので、茂呂はすぐに腕をつかんだ。

「ま、待ってください」

< 53 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop