タイムストッパー

観察

 駅前はいつも人だかりができている。

 バス停にタクシー乗り場にもちろんコンビニなどもあるし、銀行も交番もあるので、にぎやかになって当たり前だ。

 だから、人が突っ立ていても、邪魔ではあるが、不思議なことは何もない。

 戸井田圭祐は突っ立っていた。

 先ほどまで、曇っていたが、急に太陽が顔を出した。

 太陽のまぶしさに戸井田は顔をしかめた。

 コンビニの出入り口の横である。

派手な服装でもなく、ただ白い手袋をはめているくらいでは特に邪魔にはならないので、誰も気にする者などなく、素通りして行くのだ。
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