タイムストッパー

島目慶子

 田久万は校門を出た。

 大口のお陰でいい方向にことが運びそうだ。

 田久万はウキウキとしていた。

「あ、あの、いいですか……」

 田久万は振り返ると、茂呂がいた。

「何だ?」

「す、すごいですね」

「まあなぁ」

「じ、時間を止められるなんて、見たいけど……」

「見られるわけないじゃないか!」

「そ、そうですよね……」

「良かったな」

「な、何がですか?」

「これで大口からいじめられなくて」

「は、はい……」

 茂呂は元気がない。

「どうしたうれしくないのか?」
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