タイムストッパー
「そう……」

 田久万は茂呂など、どうでもいい存在なので、軽くあしらった。

「し、島目さんのことは残念です。そ、それじゃ、お、音楽室……」

 田久万は茂呂の相手をするのを辞めて、また机の上につっぷした。

 二時限目の始まりのチャイムが鳴った。

 静かだ。

 田久万はチャイムを聞いたので、顔を上げた。

 時間が止まったようだった。

 気のせいか?

 田久万は辺りを見回した。教室には誰もいなかった。

「しまった、音楽の時間だ!」

 みんなは早々と、音楽室に移動したのだ。そう言えば茂呂が音楽室に行くことをうながしたのに遮ってしまったのだ。
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