となりの席で。
はじまりの合図
キーンコーンカーンコーン‥
4月27日 今日も授業終了のチャイムが鳴り響いている。
「ふぅ、今日も綺麗にノート取れた♪」
見直した時のためにノートを綺麗に取りたい私、桜木まゆかは恋に部活に遊びに大忙しな中学二年生。
「まーゆかっ、一緒に帰ろー!」
話し掛けてきたのは同じクラスの佐藤優衣。いつも一緒に帰っているんです。
「うん、帰ろ!」
いつもの下駄箱。
靴を取り出しながらふとグラウンドを見ると、見慣れない光景があって私は疑問に思った。
「‥あれ、孝太って部活入ってたっけ?」
「ああ、二年になってからテニス部に入ったらしいよ」
「ふぅーん‥」
佐伯孝太、私の家のお隣に住んでいて 幼稚園から一緒だったんだ。いわゆる幼なじみ。
今まで友達と遊ぶことを優先していて、部活なんて目もくれてなかったのに。何かあったのかな?
私はキラキラ輝く彼の姿が目に焼き付いて、一日中気になってしまった。