お仕置きゲーム2
僕はうつくしい
少年は昔から我慢強い子だった。
はじめて保育園に入園した日、周囲の子供達が母親を求めて泣きわめくなか少年は1人だけ涙をぎゅっと堪えて、きょろきょろとあたりを見回し母親を探していたらしい。
母親はそれを影でこっそりと見てほろりと涙を流したという。
またあるときは、ブランコから派手におちて頭を地面に打ち付けても泣くのをこらえてへらりと笑ってみせたり、骨折しても、苛められても、怒られても、少年は弟たちのように暴力をふるって親を骨折させたり、ヒステリックになって壁を破壊したり、暴言を吐き散らしたりしなかった。
近所の人には礼儀正しく挨拶をし、困っている人を見かけたら助け、親友や友達に数えきれないほど裏切られようとも笑って許した。
性格は温厚。成長するにつれて周囲から美人、可愛い、優しい、頼りになる、羨ましい、あなたのようになりたい、とよく言われるようになる。そういわれると両親や祖父母は嬉しそうなので、真面目で優しく、クールで、とにかく良い子をキープするように心がけていた。
そんな少年には趣味があった。それは、グロテスクなゲームである。人を殺したり、銃を乱射してゾンビを打ち殺したり、とにかく年齢制限がかかっているゲームが大好きだった。
そんなゲームはしてはだめだと周囲から言われたけれど、それだけは我慢できず、ゲームを続けていればいつしか何も言われなくなっていたからよしとする。
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