お仕置きゲーム2
「...あの、」
「なんだいメグ。」
1人話がわからず、取り残されたような気持になっていた疾風が意を決して口を開いた。宇野はにこりと人のいい笑みを浮かべて彼を見る。
「話が全くわからないんですけど。」
「ああ、説明し忘れていたね。全部話してあげるよ。」
「待て、高取には関係ないだろ。」
真咲が宇野に余計な事を話すなと言っているが、彼は構わずに話し出した。
「一年前、大きな殺人事件が起きたのは知っているかい?」
「...はい。」
少年が数人を殺害した凶悪な事件のニュースを思い出した。教師から始まり、自分の父親、友達を殺めたという事実は世間に大きな衝撃をもたらした。犯人の少年の父親も殺人狂で多くの女性を強姦し殺したあとに学校の裏山に遺体を埋めていたのだとか。
まだ未成年が犯した事件ということもあり、あまり詳しくは報道されていなかった為によくわからないが、その事件に宇野博隆が関わっていた事は覚えていた。
「あの犯人、メグミなんだよ。」
宇野はまっすぐと真咲を指さした。
「...は?」
思わずまぬけな声をだせば、「本当だよ、ね、メグミ。」と真咲に同意を求める。(ありえないだろ。少し無愛想だけどいたって普通の子供じゃないか。)
真咲が人を殺すなんて信じられない。きっと嘘に違いない。宇野は俺を騙してるんだ。
自己完結しかけたとき、真咲が目を伏せ、体を少し震わせながら俯いた。