お仕置きゲーム2
その反応を見て、疾風は身体を硬直させる。
(うそだろ)
「まあ、世間的にはメグミが凶悪な犯罪者って事になっているけど、違うんだよ。メグミは、お仕置き少女の運命を辿らなければいけないんだ。だからしょうがなかったのさ。」
「...」
恍惚とした表情で真咲を見て、「ああ、ごめんねメグミ、でも愛しい君の最後を視たかったんだ。この目に焼き付けたかったんだ。」と意味のわからない言葉を発している宇野を見て驚きを隠せない。
「...佐藤、」
俯いたまま動かない真咲の名前を呼べば、彼はすこしだけ顔をあげた。彼の瞳には大粒の涙がたまっており、今にも零れ落ちそうだ。
真咲の表情を見て、なんとなく彼は殺人をしたくてしたのではないのだと想った。酷く後悔していて、悲しそうな表情の真咲に恐怖心を抱く事が出来なかった疾風は彼に近寄り、無意識にそっと手を重ねた。
その様子を見て宇野は満足そうな表情を見せる。
「佐藤、俺はお前の事拒絶しないよ。」
優しく声をかければ、真咲は顔をあげて疾風をじっと見つめる。
「...拒絶、しろよ。」
「しない。」
「しろよ。じゃないと、お前、きっと壊れる。」
「しないよ。佐藤とは初対面だけど、俺、頼りないかもしれないけど、力になりたいんだ。」
「...。」
普通の子供ならば、真咲を受け入れることなんてできないだろう。なのに疾風は、深い事情を知る前に無条件で彼を受け入れた。