お仕置きゲーム2
今まで愛されて育ってきた疾風には衝撃的な一言だった。こうもはっきり拒絶されたことはない。
「俺、何か悪い事した?」
「してねぇよ。」
「なら、どうして?俺、佐藤の詳しい過去なんて知らないけど、絶対に拒絶しないよ。佐藤が望むなら傍にいて支えてあげるから。」
「お前、手が震えてんだよ。」
「...?」
疾風は自分の手に視線を落とした。
「本当は怖いくせに、なんで無理して受け入れようとしてンだよ。そーゆーの俺、いらねーから。別にテメェに支えてもらうつもりねぇし。」
関わるなよ。
冷たい言葉を投げかける真咲を見て、疾風は混乱する。自分の手が震えていたから、彼を怒らせてしまった?嫌われてしまった?どうしよう、怖い。そう、まわりが言うように生きなきゃいけないのに、理想の高取疾風でいなければ。
可愛い、かっこいい、綺麗、美人、疾風のようになりたい、いいなあ疾風くん、頭いいよね、運動神経ありすぎ、疾風くんみたいな彼氏がほしい、本当、完璧だよな。
脳内に、言われた言葉が爆発したかのようにあふれ出す。
ぎゅっと手を握り、震えを無理やりおさえると、疾風は静かに、誰にも聞こえない声でつぶやいた。
「だッ、て、おれは、うつくしいんだ、」
うつくしくなければ、いけないんだ。