お仕置きゲーム2
2代目ヒーローと田辺智香
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「...て、」
なんだか物凄く体が怠く感じた。身動きをするのも億劫で、かすかに聞こえる声を無視しようとすれば体が揺すられる。
「疾風!」
突然大声で名前を呼ばれた疾風はぱっと目を開いた。しっとりと髪が汗で濡れているのが気持ち悪い。
「...かあ、さん。」
「もう、何時まで寝ているの。学校に遅れるわよ。寝坊なんてはじめてじゃないの?長男なんだから、もっとしっかりしなさいね。」
激しく動揺した。俺、昨日誘拐されて、病院にいたはずだよな?なのになんで、家にいるんだろう。もしかして、夢だった?
黙っている疾風を見て母親は眉を寄せてもう一度彼の名を呼んだ。
「ご、ごめん。気を付けるよ。」
声を絞り出してそう返事をすれば満足したのか部屋を出ていく。取り残された疾風は、とりあえず制服に着替えようとベッドからおりた。遅刻は絶対に許されない。
鏡を見て身嗜みを整える。何時見ても、悲しい程に容姿端麗だと感じた。(というか、そうでなければいけない)鏡の中にいる、人形のような自分を見て「完璧。」と呟く。