お仕置きゲーム2
中2、高取疾風(たかとり はやて)は焦っていた。目の前には頬を染め、自分に向かって告白をしてくる仲のよかった男友達A。
普段冷静な彼でもこれにはさすがに取り乱したが表にはださない。
「疾風、俺、お前の事好きなんだ。」
ぞわり、と鳥肌が立つ。いやいやいや、おかしいだろ。自分の性別確かめてみろ。なんて言えるわけがなく、「気持ちは嬉しいよ。」と心にもないことを口走る。彼は何時、どんな時でも優しかった。それがたとえ、理解が追いつかない状況だとしても。
「あのさ、付き合ってくれないかな。」
今コイツなんて言った。
俺は男でお前も男だ。そうだろう?お前おんなだったのか!?
内心疾風はパニックである。いくら冷静で優しく、可愛く、クールで、まわりから愛される少年高取疾風だとしてもまだ子供だ。
相手の気持ちを考える余裕なんてなく、疾風の心の中にあったのは嫌悪感のみ。
冷や汗がたらりと頬を伝って流れた。
「あの、気持ちは嬉しいけれど、その気持ちには答えられないよ。」
意を決して、ことばを選びやっとの想いでそう言えば、友人Aは瞳を潤ませて「そ、か」と言う。グサリ、と良心が傷ついた。
慌てて「でも、おまえとは友達でいたい。」と言葉を続ければ友人Aはすこし表情を綻ばせた。少し安心。