お仕置きゲーム2
空は、興味のある事にしか反応しない。自己中心的な振る舞いをする、というよりも自分の世界を持っているために他者を気にかけない、という方が正しいだろう。変わった性格のせいで、まわりから嫌悪され、気付けば1人ぼっちになり、気づけば学校に行かなくなり、気づけばトイレ、風呂、食事以外は部屋に引きこもるようになっていた。
変わっていく空を見て、母親は最初は必死に対応していたが逆上した弟が暴力をふるうようになってからは恐怖からあまり積極的に関わろうとしない。
最近では声をだすこともなかった。
なのに、話しかけてきた。驚きのあまりぽかんとしていると、空はフ、と無表情になり背を向けていつものように部屋に戻っていく。
家族からも愛されて、できる子だと思われて、尊敬されて当然(そうじゃなければいけない)だと思っている疾風は弟の変化を目の当たりにして理由はどうであれ素直に嬉しいと感じた。