お仕置きゲーム2
自分にとっては唯一本音を話せる、大切な親友だった未央。しかし、評価や周囲の理想を気にするばかりに本音を話さずに簡単に嘘を言ってしまう自分が酷く愚かに感じた。
ガラ、
SHRの時間になり、担任の教師が入ってくる。教師の後ろには年齢の割には色気があり綺麗な顔つきをしている女子生徒がいた。全員の視線が彼女に釘付けになる。
「知っている者もいると思うが、今日からこのクラスの生徒になる渡辺智だ!皆、仲良くするように。」
「渡辺智です。よろしく。」
渡辺智を、クラス中が歓迎する。これからよろしく!先生、渡辺さんの席はどこなんですか!?前はどこにいたのー?一気に騒がしくなる教室にぽかんとしていると、担任は「席は高取の隣だ。」と言い切った。
「高取、手をあげなさい。」
そう言われ、手をあげれば渡辺の視線が自分に向いた。そして表情を歪める。初対面でそのような態度をとられたのは初めてでズキリと胸が痛む。
「高取君、宜しくね。」
「うん、よろしく。わからないことがあったら、何でも聞いてくれていいからな。」
笑顔を浮かべれば、渡辺は微笑む。
「ありがとう。」
先程の表情の歪みは気のせいだったのだろうか。様子を伺うように視線を渡辺にうつせば、彼女も疾風を見ていたようで視線がまじりあった。
逸らさない、まっすぐな瞳と綺麗に整った顔に戸惑う。
「高取君、」
「なに?」
「あなた、あたしの好きだった人にそっくり。」