お仕置きゲーム2
「私は、本当は死んだのだけど、お父さんが宇野博隆に頼み込んだせいで、生き返ってしまった。」
「...そんなこと、って、」
「正確には、あたしとよくにた体系の少女を誘拐し、私そっくりに整形させ、脳をイジって田辺智香を再現しただけだけれど。」
だから、あたしはあたしじゃない。あたしが死んでいることには変わりない。
「田辺、」
「話を戻すと、あなた、宇野博隆に目をつけられて真咲のかわりにお仕置き少女メグミになるみたいじゃない。真咲と同じような人生を辿る事になる前に、宇野博隆から逃げたほうがいいわ。...まあ、簡単に逃げられるわけないから、あたしが代わりになるわ。」
「田辺。」
「大丈夫、あなたは何も気にしないで。今度こそ真咲を護らなきゃいけないか「田辺!」
疾風は智香の言葉を遮り、握る手に力をこめた。信じられないことばかりで、まだ整理ができていないけれど、性格上、ほうってはおけない。誰にでも優しく、頼りになる高取疾風は、どんな厄介事でも受け入れてしまう。
「ッ、大丈夫だよ。俺は、真咲みたいにはならない。田辺がメグミになる必要はない。俺がどうにかする、大丈夫だよ。だから泣くな。」
本当は、話を聞いてどうしようもなく怖かった。逃げ出したかった。けれど、やっぱり、あったばかりの転校生に嫌われることのほうが怖い。安心させるように笑顔をつくれば、智香はさらに泣き出した。
___疾風は気づかない。これもすべて、宇野博隆の仕組んだことなのだと。既に歯車は狂い始めていた。