お仕置きゲーム2


ひきこもり生活を続けて数か月。真昼間にも関わらず寝ていると、家のインターホンが鳴った。母親は仕事にでていないし、兄は学校に行っている。なるべく外との接触を避けたかった空は居留守を使うことを決めた。


...ピンポーン


「...。」

ピンポーン、ピンポーン、ピピピピピピ、

嫌がらせだろうか。何度も何度もしつこくインターホンを鳴らしてくる客が鬱陶しい。これじゃあうるさくて眠れない。


「はあ。」

溜息を一つついてベッドから起き上がった空は重い足取りで玄関へ向かった。


がちゃり、

「だれですか。」

ドアをあけ、嫌そうに言えば目の前の人物は「はじめまして。」と笑う。いかにも怪しい男だったために、無言でドアを閉めようとした時「君が空くん?」と問いかけてきた。


どうして名前を知っているんだろう。嫌な予感がする。無言で様子を伺っていると「君の大切なお友達、栗林絵里ちゃん、見つかったよ。」と驚くことを言ってのけた。

もしかして、この男は警察か何かだろうか。それとも、絵里の親戚?

「うそ、だろ。」

「嘘じゃないさ。けれど、別人になってしまっているんだ。」

「ッ、どういうことだよ。」

「誰かに誘拐された後、脳をイジられ、整形させられたみたいなんだ。だから、絵里ちゃんだったころの記憶はないんだよ。かわりに、別の女の子の人格が入ってるんだ。」

あり得ないことを易々と語る男が理解できない。理解がおいつかず、ぽかんとしていると彼は「まだ意識はないけれど、元栗林絵里ちゃんに、あわせてあげるよ。」とにやりと笑った。
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