瑠璃の瞳と夕焼けと
一章-瑠璃の瞳と漆黒
生
いつかの九月十七日…バニラ=ラピスラズリは、とある国の姫君として誕生した。
魔術師の多い国の王族らしく、とても巨大な魔力を持ち、それを自在に操ることができた。少なくとも、その時点では。しかし、悲劇はその後だった。
絵を描くのが趣味だったバニラは、十歳の誕生日、大きなスケッチブックをプレゼントしてもらった。嬉しくて、たくさん、たくさん絵を描いた。
ほんのちょっとのことだった。
オレンジ色の鉛筆がなくなってしまった。仕方なく、バニラは魔法を使って、自然の中からオレンジ色をとった。そう、夕焼けから。
その瞬間、世界は漆黒に染まった。絶望という言葉がとても似合う色だった。
その日から、父も母も、使用人の少年や、メイドですらも、バニラを避けるようになった。もちろん、国民も。夕焼けが死んだ世界は、一気に堕ちていった。
バニラは、それ以来、部屋から一歩も出ず、大好きだった絵すらも描かなくなった。
自分の巨大すぎる魔力が、人を苦しめているのが酷く切なかった。
魔術師の多い国の王族らしく、とても巨大な魔力を持ち、それを自在に操ることができた。少なくとも、その時点では。しかし、悲劇はその後だった。
絵を描くのが趣味だったバニラは、十歳の誕生日、大きなスケッチブックをプレゼントしてもらった。嬉しくて、たくさん、たくさん絵を描いた。
ほんのちょっとのことだった。
オレンジ色の鉛筆がなくなってしまった。仕方なく、バニラは魔法を使って、自然の中からオレンジ色をとった。そう、夕焼けから。
その瞬間、世界は漆黒に染まった。絶望という言葉がとても似合う色だった。
その日から、父も母も、使用人の少年や、メイドですらも、バニラを避けるようになった。もちろん、国民も。夕焼けが死んだ世界は、一気に堕ちていった。
バニラは、それ以来、部屋から一歩も出ず、大好きだった絵すらも描かなくなった。
自分の巨大すぎる魔力が、人を苦しめているのが酷く切なかった。