愛恋歌-tinkle tone-
第1章
偽りの関係
「ごめん、別れよう…」
決心した思いを迷いもなく口にした。
そんな私を見つめる目が痛いほどに鋭くなる。
この目に恋をして、独り占めしたくて必死になった。
そして彼が自分のものになって世界一の幸せ者だと夢見てた。
だけど…もう限界。
こうやって別れを告げるのは何度目だろう。
正直、めんどくさい…
自然に別れられたらどんなに楽だろうといつも期待してしまう。
これまでの恋でそんな別れもなかったわけじゃないけど…
今回はそのパターンじゃなさそうだ。
152㎝しかない私を見下ろす180㎝の目は結構怖い…。
完全に機嫌損ねてる。
まぁ、そうさせてるのは私だから仕方ないんだけど…
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