愛恋歌-tinkle tone-



「そうよ、だから急いで帰ろうと思ったの!」



「じゃあ何でわざわざ公園を通るの?」



そんな透明な目で見ないでよ。

吸い込まれそうになる…




「その…子…その子が気になって……」



びしょ濡れなのに腕に抱かれ暖かさに安心しきっている仔犬に目を向けた。



「…この子…君の犬?」



「…ち、違うけど…」



「じゃあ君が捨てたの?」



「違うわよ!!」



彼の言葉に顔がカッと熱くなった。



「ごめん…心配だったんだよね。よかったなお前、少なくとも二人には見捨てられなかったぞ…」



仔犬に優しく話しかけながら微笑み、頭をゆっくりと撫でた。



「その子、どうするの?」



「どうしよう…」



「…は?どうしようって、あんたが飼うんでしょ?」



だから助けたんだよね?
優しく声をかけたんでしょ?

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