愛恋歌-tinkle tone-


「はい、タオル。シャワーはそっちだから…」



私は彼にバスタオルを手渡すと浴室を指差した。



「ありがとう。でも俺は後でいいよ」



「え…いや、早く入らないと風邪ひくって…」



「君だって風邪ひくよ?レディーファースト…先に入って?俺は君が入ったあとこいつと一緒に使わせてもらうから」



そう言って仔犬の頭をクシャクシャっと撫でてニッコリ笑う彼に胸がジン…と暖かくなった。



「でも…」



「いいから。女の子は体冷やしたらダメだよ」



「…わかった。じゃあ急いで入ってくる」




ここでさらに押しても彼はレディーファーストを通すような気がして、私は言われたとおり浴室へと向かった。

リビングのほうから彼と仔犬の話し声が聞こえる。
話かける彼に仔犬はそれに応えるようにクンクン鼻を鳴らしていた。


彼の優しさは本物なのかな…

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