愛恋歌-tinkle tone-
チリン…♪
「……!」
黙り込む私はその音に肩をビクッと浮かし、異常なまでに反応してしまう。
「この鈴…なぁに?」
「え……」
「だいぶ年期入ってるみたいだけど君の?」
さっき荒々しくテーブルに叩きつけた鈴が今は彼の手の中にあった。
色が剥げかけた赤い鈴…。
「ひ…拾ったの」
我ながらなんて下手な言い訳。
「拾った?」
案の定不思議そうな目で聞き返す彼に私はとっさに思いついた嘘を続ける。
「さっきの公園に落ちてて拾ったんだけど、よく考えてみたらこの子のだったのかもなって…
つけてたのが取れたのかもって。だからまたつけてたら飼い主が見つけるかなと思ってもう一度この子の様子見に公園に…」