愛恋歌-tinkle tone-
「………」
「ね?」
ニコッと微笑む彼に
「そ…そうだね」
私の中の見られたくない部分を見られているような、そこにある何かを壊されるような気がした。
「じゃあこれはこいつに返さないとな。」
…あ……
彼の手の中にあるものが私から離れようとしている。スヤスヤと寝息をたてる仔犬の元へと…
「決めた!」
「え?」
何か考えが浮かんだらしい。
突然閃いた顔をする彼よりもその手に握られた鈴の方に目がいってしまう。
「…決めたって何を?」
「ん?こいつの名前だよ」
名前?
「ティンク。かわいいだろ?」
ティ…ティンク?
「一体どこからそんな名前でてきたのよ!」
もうほんっと掴めない奴。