愛恋歌-tinkle tone-
だけどそんな琢己に私は何も言わない。
その代わり私も同じことをすることにした。
寂しさを紛らわすため?
そんな理由をつけて琢己が他の女と浮気するように、私も別の男と遊んだ。
だけど琢己とは恋人同志なわけで…定期的に会ってデートしてキスして体を重ねて…
「好きだ」「お前が一番」
と呪文のように言われ続けた。
それでもお互い浮気もする。
いつしかそんな関係が普通になってて…これが自分の恋愛なんだと偽りの愛に翻弄されていた。
そして結局虚しさだけが残って…もう限界なんだと気付いた。
「他に好きなやつでもできたのかよ?」
「そんな人いない。ただもう琢巳とは付き合えない」
「なんでだよ?」
「気持ちがなくなったの…」
いつからだろう…?
人を傷付けることに痛みを感じなくなったのは…。