愛恋歌-tinkle tone-
一ヶ月後 ―――
その日の朝は晴天でこれでもか!てぐらい空は真っ青だった。
「てか、珠洲(スズ)ってばほんと信じられない!あの琢巳を振るなんてさぁ…」
学食に響く麗香(レイカ)の声。
一瞬、周りの視線が私と麗香に集中する。
恥ずかしいな。
大きな声ださないでよ…
麗香は一ヶ月前の話を未だに持ち出してくる。
「背高くてかっこよくてスポーツもできて、ちょっと悪い感じ…完璧じゃん!」
言いながら麗香の目がキラキラしてるのは置いといて…
私はミルクティの缶をクルクル回した。
「琢己は完璧じゃないよ…」
「何よそれ…」
不満そうな麗香の視線がちょっと痛い…。
「琢己は一番大事なところが欠けてるの」
「大事なとこ?」
私を見つめたまま麗香は手に持ったコーヒーに口をつけるのを忘れてる。