愛恋歌-tinkle tone-


「…飲まないの?」



コーヒーの匂いがさっきから鼻をかすめていた。



「それより大事なとこって何よ?」



真っ直ぐ見つめる麗香の目に負けて私も手を缶から離した。




「優しさ…思いやりだよ」


私に言う資格はない言葉だけど…それが琢己に足りないところ。



「思いやりって…珠洲も浮気してたじゃん」



麗香の予想どおりの返事と怒り混じりの視線に目を伏せるしかなかった。



「うん…だからだよ。お互い浮気してる恋人なんておかしいでしょ?私にも琢己にも優しさが欠けてるの…」



「だから浮気相手のほうをとったわけ?」



「ちょっ…」



 ~♪~♪~♪

私の言葉を遮るように、携帯が鳴りだした。



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From:彰
Sub:non title
 いつものとこで
 待ってる
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たった一言のメール…
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