愛恋歌-tinkle tone-
「………」
メールに返事をすることもなく、そのまま携帯を閉じた。
「…だれ?」
私の顔を覗き込む麗香。
相手が分かっていながらも、敢えて聞いているのが表情からわかる。
「……彰(アキラ)…」
その名前を聞いて麗香はやっぱり…というような顔をしてみせた。
「噂をすれば…てやつだね。で、いつものようにホテルで待ち合わせ?」
「うん、公園でデートするような恋人同志なわけじゃないから。じゃあ待ってるみたいだからもう行くね」
まだ半分残ったままの缶を手にして席を立った。
「どうせなら彰と付き合っちゃえばいいじゃん」
去ろうとする私を麗香はまだ引き留めようとするけど、それを遮るように私は振り返ってニッコリ微笑んだ。
「お互いそのつもりはないよ。麗香また明日ね…」
バッグを取って麗香に別れを告げようとすると…
チリン…♪