白い謙遜
きぶし 花言葉【出会い】

出会いとは常日頃あるものだ。
それこそ、買い物中や通勤通学途中
日常生活の中にはたくさんの出会いはあるけれど
関わりのある人はほんの一握りだけ。

でも、なんでもないようなことで
全く知らない人との縁が繋がることもある。
そこから色んな世界が見えたりするものなのだ。


*****************************


「誕生日、おっめでとー」

一つ、パーンと高い音が耳元でなると思うと同時に俺の生誕を祝う言葉が聞こえてきた。


少しだけ、後ろを見るといつものニコニコした桜太朗(おうたろう)
の姿が視界に入る。
「いやー僕は桃哉(とうや)の誕生日が16年間全て祝えて嬉しいよ。
学校が今日から春休みなのも嬉しいけどさー。」
そういいながら桜太郎は俺の横に並ぶと先ほど鳴らしたと思われる
クラッカーを鞄へ仕舞う。

「ああ、そういや今日3月3日だっけ。」
忘れてたわーとつぶやきながら桜太郎へ視界を移すとクラッカーの代わりに取り出した箱を突き出された。

「これ誕生日プレゼント。幼馴染がかわいい女の子じゃなくて悪いけど」

冗談、冗談、とヘラヘラ笑うこの男が俺の幼馴染の清水桜太郎(きよみずおうたろう)
長めの茶髪が似合う男だ。

「それねー恋愛運UPのお守りみたいなもんでねー、女の子運のない桃哉にピッタリかと思って。いやーだってこの間もさーマウンテンゴリラみたいな子に付きまとわれてたじゃん?」

「余計なお世話だ」

そしてお構いなしに人の傷をえぐってくる奴だ。

箱を開けると小さいピンクの石がついたネックレスが入っている。

「なあ・・・あげるやつ間違えてねーか?流石に可愛すぎるだろ。」

桜太郎はにひひっと笑いながら箱を覗き込み
「これさー彼女ってか元カノか。そのホワイトデーにあげる予定だったの。」
でも別れちゃってさーとため息つきながら言った。

要はあれか。いらなくなったものをリサイクルか


毎度桜太郎は俺に対してだけこうゆう扱いをする。
心を許しているからなのか俺を馬鹿にしているからかなのかはわからない。



いい出会いが休み中にあるといいね
なんて言いながら俺の肩を叩き桜太郎が家の中へ入っていく。


俺も桜太郎の姿を見送ってから2建先の我が家へ帰宅した。





まあ、なにか面白いことがあったらいいよな、なんて考えながら。






























< 1 / 3 >

この作品をシェア

pagetop