理想恋愛屋
「ごめん、萌」
「う、うん……」
腑に落ちないような萌だったけど、これ以上こんなオレの姿を見せたくなかった。
だけど出ようとする萌は、中途半端な格好でとまった。
……なんだ?
その萌の視線をたどると、兄がじいっと萌を見つめていた。
「……お兄、ちゃん?」
あのブラコン娘さえ、様子のおかしい兄をゆすっている。
「あのぉ……、何か御用ですか?」
恐る恐る萌がうかがうように兄に尋ねる。
だが、なんとなくオレは分かった。
伊達に『恋愛屋』やってんだ。
「あー……。萌、また後で電話くれない?」
オレは無理やり萌を外に出そうとした。
だけど、それよりもはやくグイっと萌の腕が引っ張られる。
「きゃっ……」
それは、あの兄だ。
「ちょ……、匠さん!」
やばい!金にもなんないし、それに萌は……!
兄の名前を呼んだけれどすでに彼の口は開きかけている。
「恋愛屋さん、きちんと報酬は出しますから」
にっこりとオレのほうを向いてきた。
「えっ、あの……っ!」
慌てて仲裁に入ろうとしたけど、もう遅かった。
兄は驚いている萌の透き通るような白い手をぎゅっと握る。
「僕と、デートしてもらえません?」
.
「う、うん……」
腑に落ちないような萌だったけど、これ以上こんなオレの姿を見せたくなかった。
だけど出ようとする萌は、中途半端な格好でとまった。
……なんだ?
その萌の視線をたどると、兄がじいっと萌を見つめていた。
「……お兄、ちゃん?」
あのブラコン娘さえ、様子のおかしい兄をゆすっている。
「あのぉ……、何か御用ですか?」
恐る恐る萌がうかがうように兄に尋ねる。
だが、なんとなくオレは分かった。
伊達に『恋愛屋』やってんだ。
「あー……。萌、また後で電話くれない?」
オレは無理やり萌を外に出そうとした。
だけど、それよりもはやくグイっと萌の腕が引っ張られる。
「きゃっ……」
それは、あの兄だ。
「ちょ……、匠さん!」
やばい!金にもなんないし、それに萌は……!
兄の名前を呼んだけれどすでに彼の口は開きかけている。
「恋愛屋さん、きちんと報酬は出しますから」
にっこりとオレのほうを向いてきた。
「えっ、あの……っ!」
慌てて仲裁に入ろうとしたけど、もう遅かった。
兄は驚いている萌の透き通るような白い手をぎゅっと握る。
「僕と、デートしてもらえません?」
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