理想恋愛屋
「げ、オトメくん…」
入り口には、自称オレの弟子・オトメくんがこの状態を見て、なぜか興奮気味。
驚いたのもつかの間、カメラを取り出し始める。
「さ、さすが師匠ですね!」
ファインダーを覗いて、今にもシャッターを押しそうだ。
「や、やめろって…!」
慌てたように制止にかかったオレの言葉は、切なくも遮られる。
「ちゃんとキレイに撮ってね?」
オトメくんに便乗したのは秋さんで、そんなことを訂正するヒマを与えてくれるわけがなかった。
こんなことが形として残ってみろ。
オレの明日は確実になくなってしまう……っ!
嬉しそうな背後からの声よりも、目の前の恐怖。
しかし、時間は待ってくれないのだ。
「いい加減にしなさいよ……っ」
頬を真っ赤に染めて、キッと睨みあげる彼女。
それは己の身体が一番知っている瞳だ。
「ちょ、ちょっと、待てって…!」
何とか体を離そうとするが、後ろの加わる腕力でさらに動けない。
「秋さん!じょ、冗談辞めて、早く離して…」
「んもう、シャイなんだからぁ」
背後に向かって声をかけてみるものの勘違いの返事で、背中に更に体重がかかってきた。
「ぐうぅっ…っ」
オレは必死に目の前の彼女に、これ以上近づかないように、己の限界を超えてでも腕を突っ張るしかできない。
でも誰もこの努力を汲んでくれるわけもなく、例のごとく、アレがくるわけで。
入り口には、自称オレの弟子・オトメくんがこの状態を見て、なぜか興奮気味。
驚いたのもつかの間、カメラを取り出し始める。
「さ、さすが師匠ですね!」
ファインダーを覗いて、今にもシャッターを押しそうだ。
「や、やめろって…!」
慌てたように制止にかかったオレの言葉は、切なくも遮られる。
「ちゃんとキレイに撮ってね?」
オトメくんに便乗したのは秋さんで、そんなことを訂正するヒマを与えてくれるわけがなかった。
こんなことが形として残ってみろ。
オレの明日は確実になくなってしまう……っ!
嬉しそうな背後からの声よりも、目の前の恐怖。
しかし、時間は待ってくれないのだ。
「いい加減にしなさいよ……っ」
頬を真っ赤に染めて、キッと睨みあげる彼女。
それは己の身体が一番知っている瞳だ。
「ちょ、ちょっと、待てって…!」
何とか体を離そうとするが、後ろの加わる腕力でさらに動けない。
「秋さん!じょ、冗談辞めて、早く離して…」
「んもう、シャイなんだからぁ」
背後に向かって声をかけてみるものの勘違いの返事で、背中に更に体重がかかってきた。
「ぐうぅっ…っ」
オレは必死に目の前の彼女に、これ以上近づかないように、己の限界を超えてでも腕を突っ張るしかできない。
でも誰もこの努力を汲んでくれるわけもなく、例のごとく、アレがくるわけで。