理想恋愛屋
2.メガホンの君
その小さい体に反比例する元気な歓喜で出迎えられた。
「きゃーっ!!」
「誰このひとー!!」
他を省みない勢いと溢れかえる笑顔の、まるで高気圧にすべてを奪われていくような若さにたじろいでしまう。
わらわらと時が経つにつれ集まりだし、あっちで引っ張りこっちで押され、とにかく直立しているのが難しいくらいだった。
「こーらー、みんな〜」
穏やかだけども元気に諭す萌。
子どもたちと顔見知りらしく反応はしていたが、見知らぬオレたちの顔をみては興奮するのを抑えきれるわけがなかった。
「はい、ストーップ!!」
パンパン、と大きく手を叩いてやってきたのは、エプロン姿で恰幅の良い一人の中年女性だった。
「みんな椅子に座ってー!!」
さすがにその声に、子どもたちは席に着き始めた。
まあ、何人かオレの足を踏んでいったのだけれども。
「すみませんね、騒がしくって」
先ほどの中年女性は優しく笑う。
「いえ、元気な子達ですね」
ありすぎるくらいだけどな、と、心の中でつぶやく。
萌がオレの半歩前に立ち、その中年女性に向かって会釈し向き直る。
「こちらがこのあおぞら園の園長の青山先生です」
「今日はわざわざありがとうございます」
丁寧に腰を折ると、オレもつられて深々と頭を下げる。
「あ、いえ、も──上原さんの友人の葵です」
「そしてあちらにいるのが……」
萌が手で指した方には、子どもたちを追いかける彼女の姿。
「私の義理の妹になる遥姫ちゃんです」
オレのもっと後方でキョロキョロとあたりを舐めるように見渡していたのだけど。
園長は目を見開いていた。
「ハルキ、ちゃん……?」
「きゃーっ!!」
「誰このひとー!!」
他を省みない勢いと溢れかえる笑顔の、まるで高気圧にすべてを奪われていくような若さにたじろいでしまう。
わらわらと時が経つにつれ集まりだし、あっちで引っ張りこっちで押され、とにかく直立しているのが難しいくらいだった。
「こーらー、みんな〜」
穏やかだけども元気に諭す萌。
子どもたちと顔見知りらしく反応はしていたが、見知らぬオレたちの顔をみては興奮するのを抑えきれるわけがなかった。
「はい、ストーップ!!」
パンパン、と大きく手を叩いてやってきたのは、エプロン姿で恰幅の良い一人の中年女性だった。
「みんな椅子に座ってー!!」
さすがにその声に、子どもたちは席に着き始めた。
まあ、何人かオレの足を踏んでいったのだけれども。
「すみませんね、騒がしくって」
先ほどの中年女性は優しく笑う。
「いえ、元気な子達ですね」
ありすぎるくらいだけどな、と、心の中でつぶやく。
萌がオレの半歩前に立ち、その中年女性に向かって会釈し向き直る。
「こちらがこのあおぞら園の園長の青山先生です」
「今日はわざわざありがとうございます」
丁寧に腰を折ると、オレもつられて深々と頭を下げる。
「あ、いえ、も──上原さんの友人の葵です」
「そしてあちらにいるのが……」
萌が手で指した方には、子どもたちを追いかける彼女の姿。
「私の義理の妹になる遥姫ちゃんです」
オレのもっと後方でキョロキョロとあたりを舐めるように見渡していたのだけど。
園長は目を見開いていた。
「ハルキ、ちゃん……?」