理想恋愛屋
1.君は好敵手
「遥姫」
「葵、おまたせっ」
オレが腕を広げると、シンプルだけどもラインが綺麗なコートの中にいつもの制服を纏った彼女は嬉しそうにぴょこんと抱きつく。
優しく受け止めると、腕の中ではカワイイ顔立ちが緩やかにほころぶ。
「早く帰りましょ?」
彼女の身分に相応しく優雅にふわりとスカートを揺らせば、おそらく大多数のオトコはグラリときてしまうかもしれない。
「どうぞ」
助手席の扉を開いてやると、慣れたように彼女が乗り込む。
「じゃあ、失礼します」
今日も見届けに来た“彼”に対し、軽く会釈をして運転席にのりこむ。
エンジンをかけギアチェンジし、バックミラーで校門が見えなくなるまで、車内では二人ともひきつった笑顔。
ようやく角を曲がり誰にも見られなくなった頃。
「はぁーっ、今日も疲れたぁ」
シートにぐったりと体重を預ける彼女に、珍しく同感だ。
「ってか、さっきあたしのお尻触ったでしょ!?」
「はっ!?してねーよ!」
「あーやだやだ、素直に罪を認めない男って」
お前がそれをいうのか!
ぐっと堪えて、ジト目で隣を見る。
「…そんな男に“依頼”したのは、他でもないお前だからな」
ぽつりと呟いて車のハンドルをきり、彼女の通う高校からほど近いオレの事務所の駐車場に滑り込んだ。
「葵、おまたせっ」
オレが腕を広げると、シンプルだけどもラインが綺麗なコートの中にいつもの制服を纏った彼女は嬉しそうにぴょこんと抱きつく。
優しく受け止めると、腕の中ではカワイイ顔立ちが緩やかにほころぶ。
「早く帰りましょ?」
彼女の身分に相応しく優雅にふわりとスカートを揺らせば、おそらく大多数のオトコはグラリときてしまうかもしれない。
「どうぞ」
助手席の扉を開いてやると、慣れたように彼女が乗り込む。
「じゃあ、失礼します」
今日も見届けに来た“彼”に対し、軽く会釈をして運転席にのりこむ。
エンジンをかけギアチェンジし、バックミラーで校門が見えなくなるまで、車内では二人ともひきつった笑顔。
ようやく角を曲がり誰にも見られなくなった頃。
「はぁーっ、今日も疲れたぁ」
シートにぐったりと体重を預ける彼女に、珍しく同感だ。
「ってか、さっきあたしのお尻触ったでしょ!?」
「はっ!?してねーよ!」
「あーやだやだ、素直に罪を認めない男って」
お前がそれをいうのか!
ぐっと堪えて、ジト目で隣を見る。
「…そんな男に“依頼”したのは、他でもないお前だからな」
ぽつりと呟いて車のハンドルをきり、彼女の通う高校からほど近いオレの事務所の駐車場に滑り込んだ。