理想恋愛屋

「こンの……っ」

 さっきまでの弱弱しい彼女、カムバック!


 一体どこから取り出したのか、後方から振りかぶってくる彼女の手には、例のハリセン。

慌てて逃げようにも、さっきの中腰の体勢が今になって響いてくる。


 畜生……っ!

腰をさすりながら、必死に片手で彼女を制そうと試みる。


「そもそも、お前が眠ってだなぁ……っ」

 オレのイイワケにも似た説明は、彼女に当然届くわけない。


「問答、無用ぉぉおおおっ!!」


 スッパァァアン!!

乾いた空に響くハリセンの音。



「いっでぇぇえええっ!!」




 今日も、明日も。


 恋愛屋は行く──




【to be continued…】
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