理想恋愛屋
そうだ、忘れちゃいけない。
「おい、こら!」
腕の中できょとんとする彼女。
その綺麗な顔立ちに惑わされてたまるか。
「舞台で暴れまわるんじゃないっ」
「なっ、なによ!あたしは……っ」
むっとしたように、クチをヘの字に結んだ強気な彼女。
だけどそれを遮るように言葉を続けた。
「まったく、心配するだろう?」
オレの言葉が意外だったのか、驚いたまま固まってしまった。
それでも、ため息を出さずにはいられなかった。
「怪我がなくてよかったよ……」
まあ、オレの腕はきっと擦り傷だらけだけど。
チラリとすこし生地が薄くなってしまった右の二の腕に目をやる。
思わず彼女をかばうように体をねじっていた。
じんじんと響いてくるから、真っ赤になっていることだろう。
しかし、それを気にさせないように頭を撫でてやると、ほんのり彼女の頬が染まる。
……んん?なんなんだ、この反応。
「ん?どうした?」
「な、なんでもないわよ!!」
顔を覗き込むと、プイっと顔をそらされてしまう。
「ほら、いくわよ!」
彼女はすくっと立ち上がって歩き出した。
「……はいはい」
重い腰を上げて彼女を追いはじめる。
兄と萌が祝福される中、いつもの彼女の反応にオレはようやくほっとしたのだった。
「おい、こら!」
腕の中できょとんとする彼女。
その綺麗な顔立ちに惑わされてたまるか。
「舞台で暴れまわるんじゃないっ」
「なっ、なによ!あたしは……っ」
むっとしたように、クチをヘの字に結んだ強気な彼女。
だけどそれを遮るように言葉を続けた。
「まったく、心配するだろう?」
オレの言葉が意外だったのか、驚いたまま固まってしまった。
それでも、ため息を出さずにはいられなかった。
「怪我がなくてよかったよ……」
まあ、オレの腕はきっと擦り傷だらけだけど。
チラリとすこし生地が薄くなってしまった右の二の腕に目をやる。
思わず彼女をかばうように体をねじっていた。
じんじんと響いてくるから、真っ赤になっていることだろう。
しかし、それを気にさせないように頭を撫でてやると、ほんのり彼女の頬が染まる。
……んん?なんなんだ、この反応。
「ん?どうした?」
「な、なんでもないわよ!!」
顔を覗き込むと、プイっと顔をそらされてしまう。
「ほら、いくわよ!」
彼女はすくっと立ち上がって歩き出した。
「……はいはい」
重い腰を上げて彼女を追いはじめる。
兄と萌が祝福される中、いつもの彼女の反応にオレはようやくほっとしたのだった。