青空ライン*Fourth story*
「今すぐ杏を離せ!」
本当に兄貴は隙がねぇし……杏も杏で目が離せねぇな。
なんで兄貴になんか抱き着いて、そのまま無防備で寝てるんだよ。
むかむかする。
俺にだってそんなにしてくることないってのに。
「それは無理かな?だって杏ちゃん頑丈に抱き着いてるし!」
と言って兄貴が離そうとするけど全然離れる気配がない。
何でだよ!
もしかして外見似てるから俺と勘違いしているとか?
「…………」
「それより杏ちゃん熱あるっぽいから冷却シートとか薬とか準備して」
「はぁ?まじかよ……」
杏に近づいて杏のおでこを触ってみると熱くて、どうやら本当に熱があるようだった。
でも我慢できなかった俺は無理矢理兄貴から杏を引き離した。