青空ライン*Fourth story*
「んー……あれ?」
強引に引き離されて起きたのだろう。
杏は瞼を擦りながら寝ぼけている。
「……いいから。病人は早くベッドで寝てて」
杏を俺のベッドに寝かせて、はぁーっとため息をつくと部屋のドアを閉めた。
「それで?」
俺は兄貴に向かって冷たい視線を向けて答えを求めた。
大体、兄貴が来なければこんなことにはならなかったのに。
「それでって何だよ?俺はただ今日バレンタインだし、杏ちゃんにチョコレートもらいにきただけ!」
「……は?」
呆れて何も他に言葉が出てこなかった。
大体自分だって彼女というか婚約者がいるくせに、なんでわざわざ杏にチョコレートをもらいに来るんだよ!
それから兄貴に俺は今まであったことをすべて話させた。