青空ライン*Fourth story*
「そっか…そうだよね!あたし本気で今試合やってるんだと勘違いしちゃった!」
内緒で来るどころか、こんな試合が半分も行ってない所で優が帰ってきちゃったけど仕方ないよね。
だけど、テレビの中で一生懸命頑張っている彼が目の前にいるなんて
何だか芸能人みたいで変な感じがする。
でもそれと同じくらい今日会えたことが、そばにいれることがたまらなく嬉しい。
「杏のそういう所たまに抜けてるよな。じゃあちょっとお風呂入ってくるから。」
と言って彼はエナメルバッグを持ったままお風呂場に行ってしまった。
たぶん今日使ったユニフォームとかタオルとかを洗うためだと思うけど。
「ねぇ、優。今日は試合で疲れてるだろうし早くゆっくりしたいだろうから
ハーフタイムになったら急いで帰るね!」
いきなり消えたらびっくりするだろうからあたしは優の背中に向かってそう言った。