私だけの王子様




そのコンビニというのは私の家と学校の丁度真ん中にあるあの有名な看板に大きく数字が書いてあるところだ。



まさか、この後立ち寄るコンビニで夢見ていたような出会いがあるなんてこの時の私はまったく知らなかった。



ウィーンと自動ドアが開き、店員さんが声を揃えていらっしゃいませーという。

「私、新商品のコーナー見てるね!!」

「はーい」


私は季節にちなんだ商品がでるとまっさきに見に行く。

華やかなパッケージも好きだが、今しか食べられない!!と思うとつい買ってしまうのだ。

「あ、これ美味しそう」


甘いものは太るから控えてるんだけど…

「季節限定だし、いっか!!」

そう思い、レジへ向かうとそこには初めてみる身長が高い少し日焼けしたお兄さん。
思わず見とれて足が止まってしまった。


(かっこいい…かも)

「158円ね」
「あ、はい!!」

「これ、美味しいよね。新商品っていうから、俺もバイト帰りに買っちゃった」


笑顔が眩しすぎる。
そして大学生くらいのお兄さんは絶対私を高校生だとは思っていない!!!


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