私だけの王子様




「澪ちゃん!!!」
「へ?」

後ろから明るい声が。


振り向くと、さっきのコンビニのお兄さん。


「あ、えっと。なんですか?ていうかなんで私の名前を…?」
「さっき一緒にいたお友達に聞いた!!あと、商品忘れていったよ?」
「あっ!!!」


お金だけ払って帰るなんてドジすぎる!!

ああ今日は運が良くないんだ。きっとそうだ!!早く帰ろう!!


「ごめんなさい。わざわざ届けてくださってありがとうございました」

そう言って頭を下げるとお兄さんはクスリと笑った。


きっとお兄さんにも飽きれられたんだ。
恥ずかしすぎる…!!


「澪ちゃんって可愛いね」
「えっ!?」
「さっきかっこいいって言われた時、ドキッとしちゃったもん!!」
「可愛いだなんてそんな…!!!」


お願いだからその笑顔を私に向けないで。


あなたもきっと私を裏切るんでしょう?





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