似非恋愛 +えせらぶ+
「何作ってるの?」
臭いで大体わかるものの、とりあえず訊いてみる。手際よくフライパンを動かしながら、斗真が横目で私を見た。
「お、起きたか」
「うん、起きた」
斗真がフライパンを置いて、私の頭をなでる。そのフライパンの中にはやっぱりいい感じに焼けたベーコンと目玉焼き。
「美味しそう」
「よし、そこ座って」
「うん」
言葉に甘えて座ると、すでに用意されていたプレートの上にベーコンと目玉焼きが盛り付けられる。
「ん、ありがとう」
「おう」
斗真も自分の分を盛り付けて、正面に座った。
すごく自然に。
当たり前のように。
「さ、食べようぜ」
「いただきます」