似非恋愛 +えせらぶ+

「おかあさん……?」

 小さな2人は案の定、不安いっぱいの表情で斗真を見ている。

「この人は、斗真」
「とーま?」

 由紀がおうむ返しに斗真の名前を口にした。

「そう、斗真。お母さんの、お友達よ」
「おともだち?」

 由紀はまん丸の瞳で斗真を見つめている。

「そうだよー、おじさんはお母さんのお友達だ」
「ふっ」

 自分で自分のことを『おじさん』という斗真に、思わず笑ってしまう。すると斗真に睨まれた。私は肩をすくめて笑いをこらえる。
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