似非恋愛 +えせらぶ+
「ちゃんとオートロックだし、セキュリティは大丈夫そうだね」
鍵を開けて、中に入る。なかなか綺麗な場所だった。スーパーも近くにある。中もなかなか綺麗だ。
「うん、ベランダ側は開けてて隣のマンションとか気にしなくていいし、法学的に日当たりも良さそう。いいとこだね」
「そうね、良さそう」
今のところよりは狭いけれど、独りで暮らすには十分だ。
「なかなか良いとこだ。音とかも大丈夫そうだね」
小城君が内見で見るポイントをいろいろ確認してくれて助かる。
「さて、どうする? もう少し見る?」
「ううん、次のところに行きましょう」
確認するところは確認できたので、次のところに向かう。次も駅から近かった。部屋に入ると、小城君はさっそくベランダを見る。
「んー、ここは正面に高いマンションがあって、部屋見えちゃうね」
私も小城君の隣に並んでベランダを見た。小城君の言葉通り、カーテンを開けていると中が見えてしまいそうだった。
「うーん、さっきより少し広めだけど、これはマイナスポイントかな」
「そうだね」
「あ、でもこっちは収納が多めかな」
やっぱり小城君の確認ポイントは的確だ。