似非恋愛 +えせらぶ+
「き、気づかないってなに!? え、どういうことよ! 小城君にどう説明すれば……っ」
私の言葉は、斗真のキスで遮られた。
「あー、もう、全部説明するから黙れ」
待って、斗真が私を好きって……。
「俺もだけど、お前も大概素直じゃないぞ……? 好きなんだろ、俺のこと」
「じ、自分でそんなこと言うの!?」
「認めろよ」
私は……。
私は斗真から顔をそらした。
「……斗真とは、幼馴染みでいたいよ……」
終わりのある関係なんて嫌だ……。
「俺は嫌だ」
「っ!」
顎を掴まれ、無理やり顔を斗真の方に向けさせられる。
「俺は、香璃といたい。一生」
一生……?