似非恋愛 +えせらぶ+
* * *
真治の件について警察で事情聴取を受けた後、私と斗真はそのまま小城君に会うことにした。考えてみれば、真治を狂わせてしまったのは私のせいだ。そして、あんなに優しい小城君を傷つける結果となってしまった。
私は憂鬱な気持ちになる。
「お前だけが悪いんじゃない。俺も、ちゃんと背負うから」
「うん……」
そうして話している間に、待ち合わせの喫茶店に小城君が来た。今日はみんな、有給を取っている。
「小城君、本当にごめんなさい……」
「謝らないで。篠塚さんが俺のこと見てくれてないのは気づいてたから」
苦笑いをする小城君に、私は本当に申し訳ない気持ちになる。
「正直、落ち込んだけど、でもまあ、仕方ないよ。あんなに格好いい登場されたら、俺立つ瀬ないし」
「こちらこそ、突然割り入るような真似をして大変申し訳なかった」
斗真も深々と頭を下げた。私も頭を下げる。
「そうだ、篠塚さん。これ、破棄しておくね」
「え」
それは、あの日書いた新居の契約書だった。
「もう、要らないでしょ?」
「えっと……」
私は困って斗真の方を見た。すると斗真は頷く。小城君は笑って、契約書を破った。
「本当に、提出前でよかったよ。できれば、お二人の新居は弊社でお選びください」
「お願いする」
「本当に、小城君、優しすぎだよ」
小城君は、困ったように頭を掻いた。
「うん、俺もそう思うよ」
優しすぎる小城君に、素敵な人が現れることを、切に祈った。
真治の件について警察で事情聴取を受けた後、私と斗真はそのまま小城君に会うことにした。考えてみれば、真治を狂わせてしまったのは私のせいだ。そして、あんなに優しい小城君を傷つける結果となってしまった。
私は憂鬱な気持ちになる。
「お前だけが悪いんじゃない。俺も、ちゃんと背負うから」
「うん……」
そうして話している間に、待ち合わせの喫茶店に小城君が来た。今日はみんな、有給を取っている。
「小城君、本当にごめんなさい……」
「謝らないで。篠塚さんが俺のこと見てくれてないのは気づいてたから」
苦笑いをする小城君に、私は本当に申し訳ない気持ちになる。
「正直、落ち込んだけど、でもまあ、仕方ないよ。あんなに格好いい登場されたら、俺立つ瀬ないし」
「こちらこそ、突然割り入るような真似をして大変申し訳なかった」
斗真も深々と頭を下げた。私も頭を下げる。
「そうだ、篠塚さん。これ、破棄しておくね」
「え」
それは、あの日書いた新居の契約書だった。
「もう、要らないでしょ?」
「えっと……」
私は困って斗真の方を見た。すると斗真は頷く。小城君は笑って、契約書を破った。
「本当に、提出前でよかったよ。できれば、お二人の新居は弊社でお選びください」
「お願いする」
「本当に、小城君、優しすぎだよ」
小城君は、困ったように頭を掻いた。
「うん、俺もそう思うよ」
優しすぎる小城君に、素敵な人が現れることを、切に祈った。