似非恋愛 +えせらぶ+
部屋も解約したいが、あんな男のために私が引っ越したり、苦労したりしなくてはいけないのが癪だった。
とはいえ、独りで住むには広い部屋だ。真治との思い出が思い出せることもあって、日に日に寂しさが増していた。
きっと、斗真に会いたいと思うのは淋しいからだろう。
会いたいと言えば、会ってくれるのだろうか。
私達は直接会って慰め合うだけの関係であって、メールのやりとりをしたり、職場で話すようなことは不要だということなのだろうか。
私は、斗真との付き合い方がわからず、困惑していた。
* * *
いくら私が思い悩んでいたとしても、仕事は待ってくれないし、あっという間に時間が過ぎる。
忙しなく過ぎた一週間、そして金曜になった。
仕事の疲れと斗真への気持ちが相まって、私は尋常じゃないほど疲れていた。