似非恋愛 +えせらぶ+

「なに、彼氏?」
「い、いえ。友達です……大学からの」

 確か、私の二つ年下だったはずのみあ。
 そう考えると、大学からというと、けっこう長い付き合いだ。

「長い付き合いなのね」

 私の一言に、みあがはっとして首を横に振った。
 その様子が、少し引っかかった。

「違うんです。あの……最近……、仕事で再会したんです」

 どこか含みのある言い方に、私はそれ以上訊かないことにした。
 しかし、仕事で再会ということは、私もかかわるプロジェクトだろうか。

 気になったものの、私は気分を変えるためにオーダーをすることにした。

「すみません、梅酒、ロックで」
「まだ飲むんですか、大丈夫ですか?」
「大丈夫よ」

 心配そうなみあだが、私は平気だ。こんなにも意識が冴えているのだから。

「今日は、飲んでも飲んでも酔いそうにないの」
「もう……知りませんよ?」

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