似非恋愛 ＋えせらぶ＋

　後悔していた。

　斗真と、この傷のなめ合いをする関係になったことを、酷く後悔していた。




　普通に再会して、こんな面倒な関係にならずに一緒の時を過ごしていたなら、私はまた斗真のことを好きになっていたに違いない。
　もしかしたら、斗真も私のことを好きになってくれていたかもしれない。

　でも今は、斗真にとって私は慰めの相手でしかなく、体の関係しかない女だ。



　幼馴染ですらない、ただの、体の関係。
　虚しい、虚しすぎる関係。


　この関係に陥ってしまった私達は、ここから抜け出せるのだろうか。
　抜け出した先に、未来はあるのだろうか……。




　私はそんなことを考えながら、斗真のことを見つめていた。